【元新聞記者解説】いいスポーツ記事を書くための要点4つ

練習に励むサッカーJリーグの選手

プロ・アマ問わず、スポーツ記事を書いている、もしくはこれから書いてみたい、どう書いているの?と興味があったり、そもそもスポーツが大好きだという方も多いと思います。

私は新聞記者に11年ほど勤め、スポーツ記者として長く記事を書いてきました。

中の人だった時代に、スポーツ記事を書く要点を記者として書きながらつかんできました。

ここでは、元新聞記者の私が実践していたスポーツ記事の書き方をお伝えし、スポーツ記事が難しいという人やこれから書いてみたいという人が、今後プロ級になるために守ってもらいたい要点を4つお伝えします。

これを読めば、スポーツ記事の書くスピードが上がったり、試合取材のしやすさが向上すると思います。

目次

登場する主語を1人に決める

スポーツは、勝敗にまつわることには多くの要素が関わってきます。

選手の好プレーや致命的なミス、チームとしての準備の充実具合、指揮官の戦略など、「何が勝敗を分けたか」というのは一つに絞って「これだ!」と言い切れない奥深さがあります。

ただ、スポーツ記事に関しては、特にまだ書き始めた人は無理矢理にでも記事1つの中に書きたい要点を1個に絞った方がいいです。

例えば、

サッカーの試合 1-0でAチームが勝利した

という試合の記事があるとすると、勝敗を分けた要因はスコアだけで仮定するにしても、

  • Aチームの決勝点となったゴールを挙げた選手の活躍
  • Aチームの失点を0に抑えたGKの活躍
  • 相手に付け入る隙を与えなかった戦術を用意したコーチや監督の働き

など色々あるわけです。

これに加えて、

  • 得点につながる決定的なチャンスを演出したMFのパスワーク
  • 得点どころかシュートチャンスさえ与えなかったCBの守備力
  • アウェーでも大声で選手を勇気づけたサポーターの応援

といったところも、勝敗を左右したポイントになり得ます。

こういった試合を見た記者としてのあなたは、どう書くべきでしょうか。列記したこれらの要点を全て一つの記事に書き込むことは可能でしょうか。

スポーツ取材初心者のあなたがやるべきこと、それはどれが主役か、誰を主語にして書くべきかを決めることです。

得点した選手も、アシストしたMFも記事にして伝えたいと思うなら、2つの記事に書き分けるべきです。

例:得点した選手の記事

後半30分、相手守備が疲れを見せ足が止まったところをAチームFWの田中は見逃さなかった。

「最終ラインにスペースができていた。狙うならここだと思った」

ぽっかり空いた相手守備の穴。持ち味のスピードを存分に発揮すると、頭で見事に合わせた。

相手の心を折るのには十分な、会心の一撃だった。

「唯一といっていいチャンスで、決めきることができて良かった。次の試合は天王山。連続得点を目指す」

チームの勝利に貢献した点取り屋は、勝利の余韻に浸りつつ、照準を首位決戦へと移した。

上の記事では、主語は「AチームFWの田中」だけです。主語を1人に絞るだけで、

この試合の主役は誰か

を読んでいる人にはっきり明示することができます。と同時に、書き手のあなたは

私が思ったこの試合のポイントはここだ

というプロの見方を伝えることにもなります。

これに加えて、得点をアシストしたMFのことも書きたいなら、

2人が主役なら 最初のうちは別記事に書き分ける

例:アシストした選手の記事

MF佐藤の好アシストが、田中の値千金のゴールを生んだ。

後半10分からピッチに入ると、相手守備ラインの弱点をすぐ見つけ出した。

「敵の主力CBが出場停止で、連携がうまくいってないように思った。低くて速いクロスへの対応が鈍かった」

相手のほころびを見極めると、積極的にアーリークロスを供給した。

この攻めが相手守備の体力を削ぎ、ゴールにつながった。

「自分の役割を全うできた。次は90分戦えるよう準備したい」

控えに甘んじるつもりはない。強い決意がにじんだ。

といった形で、別稿を立てた方が記者としても書きやすいし、読者も読みやすくなります。

これは書くスペースに限りがある、新聞のスポーツ記者の工夫でもあります。

雑誌やネットの長文の記事を書くことを目的にしても、

「主役は誰か」「この試合のポイントは」

というのを探る視点は非常に大事なので、ぜひ心に留めておいてください。

ダイジェストではなく、ハイライト

ガッツポーズする高校球児
熱戦を記事で伝えよう

新聞のスポーツ取材の部署に配属された新人が、まず最初にやりがちな失敗として

ハイライトではなく、ダイジェストを書いてしまう

ことが挙げられます。

野球で言うと、ハイライトは

決勝のHRを打った選手のことだけ伝える

完封したエースのことだけ伝える

というように上述した、主語を1人に決めるとも関係あります。

対してダイジェストは、

1-9回まで、得点や試合経過をほぼ全て網羅して書く

という形になります。

これだと、誰が主役だったのか、この試合の勝敗を分けたポイントが読んでも分からず、

観客席で見ているだけの、取材も特にしない野球マニアでも書ける記事になります。

スポーツ取材は、

試合を見たあなたが、何が勝敗を分けたのか、誰が主役だったかをプロの目で見極め、

その視点を持って、主役や勝敗のポイントとなった選手を絞り込んで話を聞き、

自分が見たこと、話しを聞いたことをまとめ、記事に落とし込む

ことが全てであり、出発点です。

記事の分量は極力少なく

主なスポーツ記事の書く要点をまとめました。

最後に、記事の分量は極力少なくして、決めた文字数を鉄の意志で守りましょう。

上述したようなハイライト記事を書く場合、最初は多くても500字以内におさめてください。

なぜ長くなってはいけないかというと、ダイジェストを書くようになって、冗長なつまらない記事しか書けないライターになるからです。

上達するには、もう一度言いますが鉄の意志で短くまとめるように努めてください。

過去記事にもスポーツ記事の書き方に触れたものがあります。見出しの秘密についてもまとめているので、ぜひ読んでもらえると嬉しいです。

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この記事を書いた人

地方紙で11年勤務(取材記者6年、写真記者2年、整理記者3年)
Webに移り、ポータルサイトで記事企画やサイト更新のお仕事をしています。
40代で猫と暮らしています。

ライティングの依頼などもあればぜひフォームよりご依頼ください。

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