これまで、取材依頼の仕方や取り上げてもらうテクニック、なぜ新聞での取材・掲載を目指すべきなのかを紹介してきました。
「これから取材を受けるけど、どう接すれば?」「お土産や謝礼はいるの?」
そんな疑問をお持ちの方もいるかもしれません。
今回は、10年ほど新聞記者やカメラマンとして勤めてきた経験から、実際の取材の際に、記者など取材陣に対してしないくていいことやしない方がいいことなどを紹介します。
一度取材はしてもらったけど、そこから継続してお付き合いできてない、などの悩みをお持ちの方も、ぜひ一読してみてください。
結局は人間付き合いなので、いい関係を気づくことでマスコミやメディアとのつながりも広がっていくことと思います。
取材を依頼する際や取材の現場で「宣伝してください」と言わない
特に報道やメディアなどで経験がない方はピンと来ないかもしれませんが、「宣伝」というのは、依頼する側がお金を払って「広告」という形で、望むような記事や映像を新聞やテレビなどのメディアに掲載、放送してもらうものです。
対して取材は、取材する側の記者などが自ら「取り上げたい」と思い、記者が好きな切り口から記事にして料金などは頂かずに掲載していくものです。
「宣伝してほしい」という言葉は主に「取材して多くの人に伝えてほしい」という意味で使う方がいるかもしれません。
ですが記者など取材する側からすると「宣伝なら料金をお支払いいただいて、広告として依頼してほしいんだけどな」と内心思うことも少なくありません。
細かい言葉のニュアンスですが、取材前や取材中に「宣伝してほしい」というフレーズは使わないことをおすすめします。
取材した記者に掲載日や放送日を何度も尋ねたり、確認しない
取材が終われば記事・原稿を書き、映像であれば編集をして掲載、放送に至ります。
取材してもらった側の気持ちとしては、
いつ新聞に載るのか、いつ放送されるのか
が非常に気になると思いますが、記者としてはハッキリ「いつです」とは明言できない事情があり、何度聞かれても「ハッキリとはお答えできません」と返すしかなく、かなり困ってしまいます。
掲載日・放送日を決めるのは取材した記者ではなく、デスクと呼ばれる記事の品質をチェックしたり、ニュースの価値の値踏みをしたりする責任者です。取材記者としては「何日に掲載したい」とデスクにリクエストは出せますが、通らないこともかなり多いです。
そして、仮に掲載・放送の予定日が決まったとしても、大地震や凶悪事件など突発の大きなニュースが入った場合は、掲載などが見送りなります。
ですので、取材した記者としては安易に「何日に予定しています」とはお伝えできません。
取材の依頼側としては、「29日に取材に関連した催しをを予定しているから、その前日までに掲載や放送をしてもらえると助かる」などと軽めの要望を伝える程度に留めた方が無難だと思います。
また「大きく掲載してください」と記者にお願いするのもやめましょう。記者としては大きく載せたい、放送で長い時間を使って紹介したいという思いで取材します。
ですが、上でも述べたのと同様に、大きく扱う、長い時間を使うというのは最終的にはデスクが決めます。
取材してもらったお礼に、お土産や謝礼などはあげなくていい
取材に来てもらえた、大きく掲載・放送してもらえたことで、感謝の気持ちから取材陣にお土産や謝礼を渡した方がいいのかな?と考える方はいるかもしれません。
結論からいうと、一切する必要はありません。
取材する側としては、いろんな人が努力して汗をかいて商品を企画したり、イベントを開催したりするからこそ取材できるのであり、「取材させてくれてありがとう」という気持ちです。皆さんの頑張りがあってこそ、取材もできるのです。
もし記者側からそういったお土産や謝礼を要求されるようなことがあれば、不当な取材活動です。必ずその社に、記者の所属や相談センターなどを通じてもいいので、抗議しましょう。
ただし例外もあり、商品のレビューやイベントの体験を記事に盛り込んでもらいたいと思う場合であれば、食品や商品の試食・試供品を提供したり、イベントなどであれば実際に体験してもらうなどは、とても有効です。実際に味見してほしい、商品の良さを体感してほしいかどうかで決めましょう。
互いにいい関係を築こう
取材する側、される側といっても結局は人間関係です。今回は細かい点を紹介しましたが、あまり囚われ過ぎずに人とのお付き合いの一つとして気持ちを込めて応対しましょう。より良いものになるよう願っています。
コメント