【元記者解説】ここだけ読め! 忙しいときの新聞読み方

東京のビル

仕事や就職活動、勉学などで新聞を読まないといけない。だけど、文字だらけでレイアウトも独特。どうやって読めば?そう思う方も少なくないかもしれません。

新聞は一見すると非常に読みづらく感じますが、実は読者が少しでもよみやすくなるよう、多くの工夫が散りばめられています。

ここでは、新聞記事で時間がないときにここだけ押さえとけばニュースの要点がつかめる読み方を紹介しようと思います。ネット配信の記事を読む際にも使っていただけると思います。新聞社で10年ほど勤め、新聞記者やカメラマンなどを経験した私から、読むときに覚えていてくれると嬉しいこともお伝えしたいと思います。

目次

「見出し」「リード」にエッセンス

【クライストチャーチ共同=記者名】から始まる記事を「リード」呼びます。各面の一番重要なトップ記事の場合、リードはそれ以降の記事からは独立して置かれています。記事では、ここに事実関係の基礎の部分となる、「起きた事柄」「場所」「日時」「被害者数」「犯行の内容」「捜査機関の初動対応」などが書き込まれており、ここだけ読んでおけばニュースの要点がつかめます。

そしてこのリードから、見出しが抽出されます。リードすら読む時間がない場合は、見出しだけ読んでも何が起きたかは掴むことができます。ここの見出しでは「ニュージーランド(NZ)で銃乱射があり、49人が亡くなった」ことと「モスクを襲撃した3人が拘束されている」ことは見出しだけでもつかめます。

逆を言えば、リードに事実関係がしっかり盛り込まれていない記事は、あまりいい記事ではないし、見出しも取ることができません。

新聞記事

トップ記事でない場合、リードは第1段落「日銀は15日…」から「現行の大規模金融緩和策は維持した」の部分です。基本的にこの書き方はどんな扱いの記事でも同様です。

上の記事では見出しは2段にまたがって作られています。段数が多く目立つ見出しほど重要なニュースだから読んでほしいという思いが込められています。

新聞記事

上の記事は雑報記事といい、見出しも記事の幅と同じ1段分。あまり目立ちませんが、第1段落に主要な事実関係は収まっている構造です。

なぜ新聞がこのような記事の書き方をしているかというと、載せるべきニュースが多くなってきて、一つの面のスペースが狭くなってくると、記事をお尻から削って短くし、入るスペースを確保する必要が出てくるからです。

広報誌や社内報を書く際にも、「読んでもらいたい、知ってもらいたい」ポイントは第1段落、少なくとも第2段落までに盛り込むということを頭に置いておくと、整理されたいい記事になると思います。

どの新聞を購読すればいい?

また、新聞を購読しようと思う際に、「どの新聞を読めばいいのかな」という風に悩まれる方もいらっしゃるかもしれません。

そういった方には、芸人さんで新聞に関する本なども書かれているプチ鹿島さんの著書「芸人式新聞の読み方」がおすすめです。

新聞各紙には個性があり、一般的には「右か左か」「保守かリベラルか」のような言われ方をすることもありますが、プチ鹿島さんはそれを超えた新聞の色と、面白い読み方を教えてくれます。新聞を「読まなければいけないもの」から「読みたくなるもの」に変えてくれる良書です。サラっと読めるので、ぜひ一度は手にとってみてください。

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この記事を書いた人

地方紙で11年勤務(取材記者6年、写真記者2年、整理記者3年)
Webに移り、ポータルサイトで記事企画やサイト更新のお仕事をしています。
40代で猫と暮らしています。

ライティングの依頼などもあればぜひフォームよりご依頼ください。

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